モカについて

コーヒー豆の中でもとりわけ古くからあるモカ。モカにはイエメン産とエチオピア産があるようで、この違いについて今回は注目していきます。

誰が得するかわからない、コーヒー情報についてお届けする「誰得コーヒー情報」。とんと暇になってしまったカフェの店員が空いた時間に書いています。


私とモカとの出会いは、インスタントコーヒーにマリームと砂糖を山ほど入れて飲んでいた大学2年のころ。見かねた彼女がフレンチプレスとミルとモカ(とブルマン?)をプレゼントしてくれたことからコーヒーにはまっていきました。

それまでコーヒーをブラックで飲むなんてとてもじゃないができなかった私にとって、そのモカの口当たりは軽く、コーヒーのイメージを覆すには十分すぎるほど、だいたいにして540度くらい変わったと記憶しています。

それからというもの、とりあえずカルディに行って何やら買ってみたり、googleにcoffee roastと入力しては自宅焙煎の方法を調べる日々が続き、今に至ります。

コーヒーの原体験がモカであるがゆえに、モカといえばイエメン産、エチオピア産なんて論外だと思い続けていました。しかしイルガチェフェというエチオピア産のモカがもてはやされ始めて、イエメン産のモカを使っているなんて遅れてるという風潮が出てきました。

-イエメンだと半分ぐらい豆捨てるんだろ?なにやってんの?もっといい豆あるぜ。いつまでそんなところでくすぶってんだ?

そんな世間の声にパンクするように私はイエメン産のモカを使い続けました。ブラジルの3倍はするような産地のモカを買い、ちょっと安いモカを買ってはくそったれみたいな豆に出会い、やっぱり高い豆を買い、そうして客のほとんどには酸味のないコーヒーがいいと言われ…。そんなのねぇ!


しかし歳をとるとともにだんだんと丸くなってきた私はついに、ほんの試しにエチオピア産の豆を買ってみました。どうしてもイルなんとかは買いたくなかったので別のちょっと安めの豆を買うことにしました。

で、実際どうなのかというと、安いせいかかなり豆を捨てます。安いからなのか。パナマやハイチなどはほとんどピッキングする必要がないぐらいのいい豆を揃えてきます。エチオピアに期待しすぎた感は否めません。

味はイエメンのいい豆を焙煎した時のような、フーワーっと残る柔らかい酸味はヒューぐらいに軽くなっています。イエメンが洗練されたシティボウイだとすると、さしずめエチオピアはなんというかちょっと、野蛮?な感じ?とでも言えましょうか、なんというか、そう。

まだ一袋目なので、はっきりとは言えませんがエチオピアのモカでもまあいいかという気分にはなりました。安いから。最近美味しいマンデリンを飲んでないので飲みたいですね。一度鼻に抜けるマンデリンが好きだという話をしたら「カビてるだけじゃないの?」と言われました。そのコーヒー屋のにいちゃんはマイルスデイビスのTシャツを着ていました。


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